<ヘリ・エキスポ2003>
ロビンソンの秘密
――何故そんなに売れるのか―― ![]()
ロビンソン、エンストローム、シュワイザーの小型機メーカー3社は、どんな状況にあるだろうか。いずれも今年は製造機数を増やすもようで、3社の実績と計画は今回のヘリエキスポで次のように公表された。
メーカー 2001年生産数 2002年生産数 2003年計画数 ロビンソン
328機 255機 毎週7〜11機 エンストローム
7機 9機 21機 シュワイザー
―― 35機 45機 ロビンソン・ヘリコプター社は、昨2002年の引渡し数が前年比2割減となった。けれども昨年11月にFAAの型式証明を取得したR44レイヴァンUが売れ行き好調で、今年1月だけで同機を中心に90機以上の注文を受けたもよう。うち52機は1週間だけの受注だったというから、一種のブーム現象でメーカー自身も驚いている。このため当分の間、ヘリコプターの生産数を今の毎週7機を11機に増やすこととし、目下50人の増員を進めている。
ロビンソン機の展示エンストローム社は受注残高が最近10機に増えた。これで、今年の生産数は21機まで伸びるだろうというのが、同社の見込みである。内容は480Bタービン機と、F28Fファルコンおよび280FXシャークのレシプロ機が6対4の割合。
エンストローム機の展示シュワイザー社は新しい300CBiピストン機に期待をかけている。今年は23機を製造する予定。また300CBを15機、333タービン機を少なくとも7機製造する。昨年333の引渡し数は2機にとどまった。
シュワイザー機の展示問題はここから先である。上表でも明かなように、売れ行きはロビンソン機の独り勝ちである。同じ2〜3人乗りの小型レシプロ機で、何故こんな大きな差が出るのだろうか。
他機にくらべて、ロビンソン機は値段が安いのか。飛行性能が良いのか。整備の手間がかからないのか。安全性が高いのか。騒音が小さいのか。操縦がしやすいのか。乗り心地が良いのか。販売力が違うのか。アフターサービスが良いのか。パイロット・スクールへの売り込みが奏功したのか。あるいは、他のメーカーの売り方が下手なのか。
もとより商品の売れ行きは理屈だけではない。流行やブームなどは多分に気まぐれの産物である。とすれば、ロビンソン機は所謂セクシーなのかもしれない。それとも販売員は日本の生命保険のように、セールマンがいなくて、セールスウーマンばかりなのだろうか。
真面目な話、フランク・ロビンソン氏自身、天才的な技術者であると同時に、機敏なセールマンなのかもしれない。私はこの人と直接話をしたことがないのでよく分からないが、このあたりの秘密か秘訣が解明できれば、第2のロビンソンが実現するに違いない。もう少しよく考えてみたいと思う。
(西川渉、2003.2.25)
ロビンソンR44レイバンU(ロビンソン社提供)(表紙へ戻る)