<ヘリ・エキスポ2003>

軌道に乗ったEC145

 

 先月のヘリ・エキスポでユーロコプター社が発表したところによれば、EC145ヘリコプターは2002年4月の引渡し開始以来、キャビン・スペースの広さと多用途性によって、各方面で期待通りの働きを見せているという。とりわけ警察と救急の分野で活躍が目立つ。

 最近までに、EC145は53機を受注、2002年は15機が出荷された。2003年は25機が出る見こみ。すでに生産態勢は軌道に乗っており、順調な作業が進んでいる。アメリカの市場へは今年初めて登場したが、警察、石油、救急、社用、その他の分野から関心が持たれている。

 従来のBK117C-1にくらべると、EC145は総重量が3,350kgから3,585kgに増加、ペイロードも最大1,770kgまで増えた。キャビンは前後の長さが2.56mから2.96mへ延び、幅も18cm増の1.66mと広くなった。そのうえ邪魔なセンターポストやドアの支柱がなくなり、使い勝手が良くなった。最大座席数はパイロット1人と乗客9人。

 ドアは、キャビン左右に大きなスライディング・ドアがあり、後部の貝殻ドアと共に、あらゆる方向から荷物やストレッチャーの搭載ができる。騒音も小さくて、ICAOの基準より平均6.7デシベル低い。キャビン前方の機内騒音はEC135と同程度である。

 パイロットにとっては、最新のアビオニクス装備によって労力負担が軽くなり、視界も広がった。エンジンはターボメカ・アリエル1E2が2基。


2001年6月のパリ航空ショーに展示されたEC145

 EC145は1999年6月12日ドイツで初飛行し、2000年3月15日には2号機が日本で飛んだ。それ以前、正式開発が決まる前から早くもフランス防災局が32機、フランス軍警察が8機を発注していた。

 その後さらにドイツ自動車クラブADAC、スイス・エアレスキューREGA、ドイツ連邦警察、および米STATメデバックなどから、いずれも救急機として多くの注文を受けた。これらを合わせて、最近までの受注数は53機である。

 型式証明の取得はドイツ航空局(LBA)から2000年末、フランス航空局(DGAC)から2001年6月に認められ、2001年10月にはパイロット2人および独りの計器飛行も認められた。2002年2月にはFAAの型式証明も取得している。


2002年12月から引渡しが始まったREGAのEC145

 以上のようなユーロコプター社の発表の中に、日本のBK117C-2が考慮されているのかどうか、よく分からない。川崎重工は2年ほど前だったか、15機を受注したと発表したことがある。

 最近は、そのうち2機が朝日航洋に引渡された。ほかにもカワサキ・ヘリコプタなどで1〜2機が飛んでいるのではないか。

 日本がいつまでもC-2という名前にこだわるものだから、実態は同じであるのに、欧州がEC145というときは勘定に入らないのではないかと、つまらぬ心配を私はしています。

(西川渉、2003.3.25)


ヘリ・エキスポ2003の会場、ダラス・コンベンション・センター屋上の
ヴァーティポートで飛ぶEC145

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