<ヘリ・エキスポ2003>

トップ・メーカーをめざすアグスタ社

 

 一昨日の本頁で、アグスタ・ウェストランド社がベル社を口惜しがらせているのではないかと書いたが、2月9日の朝食会でも意気揚々たる発表がなされた。

 昨年の実績は生産機数が101機、売上高は25億ドルで、欧米メーカーの中で最大だったという。

 アグスタ社が最も強調するのは、米沿岸警備隊の統合コーストガード・システム(ICGS)にAB139が選定されたこと。ICGSはロッキード・マーチン社とノースロップ・グラマン社が共同で提案しているディープ・ウォーター・プログラムで、その中でAB139の任務は海上監視や遭難救助をおこなうことになっている。

 もう一つはEH-101の米国向け売りこみ。ロッキード・マーチン社と組んでUS-101と名づける大型3発機の提案をしている。いずれは大統領専用機としてホワイトハウスの芝生で発着するようにしたいというのが、アグスタ社の野心である。


米大統領専用機をめざすEH-101改めUS-101

 HAI大会での発表では、さらにA119コアラ単発機についてニューヨーク市警から確定4機、仮2機の注文を獲得、ペンシルバニア州警察からも2機を受注した。

 A109パワー双発機については、ここダラス・フォトワース地区の救急飛行を担当するケアフライトから5機目を受注、中国の警察からも確定1機、仮2機の注文を受けた。1月にはヴァージニア大学ヘルス・システムにA109救急機が引渡されている。


A119コアラ単発機――警察ヘリコプターとして人気が出てきた

 余談ながら、イタリア人は女を口説くのはうまいけれど、飛行機をつくるのはもう一つ、などといわれた。ボーイング旅客機の下請けをするときも、納期を厳守する日本は胴体をやらせて貰えたけれど、ルーズなイタリアは羽根の先といったジョークがあった。

 しかし、最近のアグスタ社の評判はどこへ行っても良い。仕事の内容も納期も正確で、アメリカはもちろん、日本より上だという声もある。

 9日の朝食会でも、アグスタ社は自信満々で、次のように豪語してみせた。「アメリカはわれわれを侵入者と呼ぶかもしれない。しかし競争は悪くないし、提携もまた悪くない。肝心なことは顧客が選択の自由を持っていること、自分の必要とするものを手に入れられることである。そのために、われわれはアメリカの企業とも提携するし、ときには単独でも闘うであろう。今やわれわれは世界のヘリコプター・メーカーの中で最も重要な、最も大きなリーダーとなった」

 バブル期の「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を思わせるような高らかな宣言で、他社からの反発を買うのではないかと、他人事ながら心配ではある。

(西川渉、2003.2.16)


米国へ侵入――ペンタゴンの前でデモ飛行をするEH-101


2月9日HAI大会の記者会見で、
高らかに勝利宣言をするアグスタ・ウェストランド社トップの面々

 

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