
<ファーンボロ2004>
アグスタ新ヘリコプターを発表 伊アグスタ社は7月20日、ファーンボロ航空ショーで、A109ヘリコプターのストレッチ型の開発を公表した。同機はA109Sグランド(Grand)と呼ばれる。おそらく、Sはストレッチ、グランドは従来のA109を一回り大きくしたという意味であろう。
大きさは総重量3,175kgの8人乗り。今のA109とAB139の中間にあって、競争相手はEC145、ベル427、あるいはもっと大きなドーファンN3やベル230などだが、それよりも運航費は安いというのが、アグスタ社の言い分。たとえば1時間あたりの変動費は615.24ドル。同じ方法で計算したときのEC145は747.17ドル、ベル430は782.06ドル、ドーファンN3は969.38ドルになるという。
驚いたことに、このグランド機は、すでに1年半ほど前から飛んでいたらしい。ただし、アグスタ社によると、初飛行をいつといえばよいか分からない。というのも既存のA109に新しいローターをつけたり、新しいトランスミッションをつけたり、新しいPW207Cエンジンをつけたりして少しずつ飛行試験を重ねてきたからで、どの時点をもって初飛行とするか明確に決められないというのである。
現状は、すでに原型2機が飛んでいるが、ファーンボロではモックアップだけが展示された。2005年初めに型式証明を取り、なかば頃から引渡しに入るもよう。
エンジンは離陸出力が735shp×2,最大連続出力が625shp×2、2分半の緊急出力が815shp。こうした強力な出力に加えて、引込み脚を持ち、機体も空力的に洗練されたことから、このヘリコプターは巡航287〜290km/hという高速飛行が可能。最大速度は311km/hである。
こうしてA109Sグランドは最新のライト・ツインとして、ドーファンなどの大型機にも匹敵するキャビン・スペースとペイロードの余裕を持ち、さまざまな需要に応えてゆく軽双発ヘリコプターである。キャビンの長さは2.30m。用途としては、たとえば5〜6席のビジネス乗用機を初め、捜索救難、救急、石油開発支援、警察、沿岸警備などが想定されている。
救急機としては、両側のスライディング・ドアが間口1.40mまで大きく開き、ストレッチャーの積み卸しも容易で、ホイスト操作も可能。機内はスペースの余裕があるため、医療機器を装備したうえで、2〜3人の患者をのせ、医師やナースが飛行中に介護することもできる。
上昇率は毎分577m、ホバリング高度限界は地面効果内で4,350m、地面効果外で2,850m、実用上昇限度5,710m、航続距離870km、航続時間4時間半。カーゴフック容量は1,400kg、吊上げホイスト容量272kg。寸度は下図の通りである。
アグスタ社の次々と打ち出す積極果敢な開発意欲と開発努力は、真っこと羨ましいばかりである。
(西川 渉、2004.7.23)
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